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2018年度【卒業制作展訪問】JIDA中部ブロックデザイン賞のご紹介

公益社団法人日本インダストリアルデザイナー協会
中部ブロック・次世代事業委員会
委員長 吉田修作

◆2018年度【卒業制作展訪問】JIDA中部ブロックデザイン賞のご紹介◆

中部ブロック・次世代事業委員会では、2018年度もデザイン系大学卒業制作訪問(卒展訪問)を開催し、各学校毎に優秀な作品を選定し表彰しました。また、セントラル画材殿のご厚意により特別賞(セントラル画材賞)を設けました。
2018年度のJIDA中部ブロックデザイン賞は以下の方々です。

2018年度JIDA中部ブロックデザイン賞

■名古屋芸術大学
 2019年2月16日(土) 会場:名古屋芸術大学 X棟



最優秀賞:荒木紀充「Mobility as a Tool」


評価コメント:
離島に於ける運搬を目的としたトランスポーターの提案。1人乗り用の座席と荷台をコンパクトなサイズの中に収め、漁業や農業での活躍をイメージしている。高いヒップポイントの座席への乗降性や、高い地上高に設定されたバッテリー(重量物)、荷物を積載した際の前後のウエイトバランスなど、安定感や利便性には更に研究の余地はあるが、漁業や農業の高齢化を背景とした社会的な問題に目を向け、働く車の新しい姿にチャレンジした点が興味深い。高い地上高はシャシーから上を常に水平に保つオールテレインサスペンションを予感させるユニークなスタイリングだが、今日のテクノロジーによる新しい機構を盛り込んでも面白かったと思う。(文責・金澤秀晃)


優秀賞:東山悠加「現代に蘇るドライエ」


評価コメント:
1900年代前半に活躍したフランスのブランド「ドライエ」にインスパイアされ、そのスタイリングの現代版を模索した作品。ドラージュやデューセンバーグでは無く「ドライエ」のチョイスの渋さにやられた。車はユーザーの所有欲を掻き立てる「情緒的な価値」の高いプロダクトだと感じるが、単にスタイルの要素を模倣するのでは無く、その歴史や文化を丁寧にリサーチし、スピードシェープを通してエモーショナルな造形を探り当てるプロセスが魅力的だった。モデルのクオリティーも高く「カタチに対する憧れ」が伝わってきた!現代のメカニズムやパッケージとの整合性には考察の余地はあるが、デザイナーは「美しさ」を扱う仕事だと改めて感じさせてくれた。(文責・金澤秀晃)


優秀賞:新實栞菜「Miyoshi」


評価コメント:
ひとり用土鍋の提案。冷凍食品に頼り、偏りがちなひとり暮らしの「食」に対する問題提起。カタチに新しさや斬新さは無いが、鍋と上蓋の間に中蓋を持つ3部品の構成で、様々な料理に対応できる多様性と、蓋を器として利用する利便性を持つ。上蓋と中蓋は裏返すとスッキリ鍋の中に収納され、凹凸のある広い鍔は持ちやすさを配慮し、アクセントとなるレリーフ形状は器として使用する際の無骨な印象を和らげてくれるなど、細部に女性らしい細やかな配慮がちりばめられている。ひとり暮らしの実体験から発想されたリアリティーがあり、調理器具のまま食べることが出来る土鍋は、洗い物を減らし「ずぼら」を合理的に楽しむ仕掛けになると感じさせてくれた。(文責・金澤秀晃)

 

■名古屋学芸大学
 2019年1月26日(土) 会場:愛知県美術館ギャラリー8F



最優秀賞:長屋祐希「EveryWalk」


評価コメント:
従来のパワードスーツは、モーターを動力とする機械然としたイメージが強いのに対し、本提案のスーツは、ゴムと空気圧のコンビネーションという非常にシンプルな構成で、フィットネスのスポーティなイメージへと転換を計っている。服の下に身につけるため、使用者のファッション性を損なわず、また「機械に歩かされている」のではなく「自らが歩いている」という実感が期待できるため、使用者の歩行に対する「前向きさ」を心理面で後支えしてくれる可能性を感じた。圧縮空気タンクユニットのレイアウトなど課題もあるが、近い将来、超高齢社会の新たなスタンダードスーツとなることを期待したい。(文責・仙田 学)


優秀賞:江草 彩「Familno」


評価コメント:
親と子の接点として料理に着目し、キッチン用品や食器を通じて親子の交流の場を創出する提案。子どものモチベーションを維持する仕組みとして「遊びの延長」を基本コンセプトとし、ゲーム性や彩りの演出などを行為のデザインとして具現化している点が評価された。料理のプロセスをシーンごとに切り分け時間軸で見たときに、それぞれの提案がストーリーとして紡がれるよう構成されている点が素晴らしい。さらにもう一歩踏み込んで、「料理したものをいただく」シーンとの連携も意識すると、食卓を舞台としたトータルな提案として成立するかもしれない。 (文責・仙田 学)


努力賞:鈴木健斗「315 Concept」


評価コメント:
他に比べ、作品の質・量ともにレベルが高い点が評価された。鉄道車両を舞台とした車内空間の過ごし方に着目した点は、とても自然な流れだと思うが、今から20〜30年後の未来については、もっと描ける余地があると感じた。未来における社会、生活、仕事、学校など様々な観点から鉄道車両の未来について考察し、未来の輪郭を描くことも大切だが、子どもや若い世代に未来に対する憧れやわくわくを感じてもらえるようなデザインを提示することも、デザイナとして重要な役割だと思う。自戒の念を込めて。期待しています。 (文責・仙田 学)

 


 

※椙山女学園大学と愛知産業大学の卒業制作展訪問は、都合により本年度は開催しませんでした



主催:(公社)日本インダストリアルデザイナー協会・中部ブロック
協力:セントラル画材株式会社

 

 

更新日:2019.02.18 (月) 18:11 - (JST)]
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