JIDA Chubu Bloc  
童夢見学会・3ブロック交流会
開催日:2010年7月17日 開催場所:米原 童夢本社社屋

1)童夢見学会・3ブロック交流会開催の狙いと意義

全体

point
JIDA中部ブロック長 江口倫郎

 一般の人には知られていませんが、「童夢」は自動車レースの世界、特にレーシングカー製作の分野ではトップクラスにあり、カーボンファイバーの応用とビジネス化、風洞設備の導入等でも先陣を切ってきた先進的かつ創造的な企業です。私が中部ブロック長になって以来、見学の機会を伺ってきたものです。その所在地が米原という、関西・北陸・中部ブロックの均等位置にあることから、岡田関西ブロック長との合意を得、大正新北陸ブロック長に呼びかけて3ブロック共同事業が今回実現しました。守秘等の問題点もありましたが、過去に童夢に在籍してみえた大正氏の尽力により、休日にも関わらず深部まで拝見でき、今後のデザイン展開にも大いに参考になったものと思います。ご協力いただいた皆様に心から感謝申し上げます。 なお同社の林穂社長による著書「童夢へ」(幻冬舎刊)は、レース草創期における若者たちの生態が活写されており、一読をお勧めします。

point JIDA関西ブロック 岡田英志
 このイベントは、ブロック長会議の後に中部ブロックの江口氏と私が、「今度は合同でイベントをやりたいですね!」と語り合ったことから始まりました。日頃の会員同士の交流は、共通の利害がなければ実現しにくいものです。まずは交流したいと思う気持ちがあり、何か学びたいという思いがあり、同じ達成感を得ることが大切だと思います。童夢見学会の企画は「学んで,語り合い,遊ぶ」、これがうまく合致したイベントになりました。セミナーや講演会だけでは一方的な話になり、一部の人の質問で終わってしまうケースが多くありますが、泊まりがけのイベントでは時間的にも十分話し合いができる環境にあり、本音の語り合いができたのではないでしょうか。この見学会は、新生JIDA構築に向けて、今後の会員同士の交流の有り方にもヒントを与えてくれたイベントでした。

point JIDA北陸ブロック 大正一哉
 要注意団体!私達見学者は「童夢」にとって特異な集団であり、特に機密に関しては、事前申込みの段階から厳しく規制がかかりました。5月に江口氏から連絡を頂き、25年前に在籍していた古巣とは言え当時とは所在も規模も体制も異なる企業に成長しており、躊躇しつつも通常見学コースに加え便宜を図って頂けないか交渉に当たりました。休日返上ながら2時間を越える行程、見学中も専門的な質問や、あちこち触るは、覗くは、やっかいな集団だったと「観る・聞く・知る・活かす」JIDAメンバーの凄さですね。
 3ブロック交流会は、大変有意義な時間でした。各ブロックには地域性がありますが、それぞれ産業や教育、文化、隣席の語り合いから宿泊者全員が一室に集ってトークバトル。NHKの特番としても成り立つ内容だったかもしれません。(昆虫乱入シーンはカットですが...)畳の上での交流もまた良し、次へのステップです。参加ご協力して頂いた方々に感謝致します。次回は真冬の北陸で!



2)童夢見学会及び3ブロック交流会開催報告

エントランス■エントランス

概要説明
■童夢説明
風洞
■風洞と車

 7月17日(土)、米原の童夢本社社屋にJIDA北陸・JIDA関西・JIDA中部各ブロックの会員及び、学生や企業参加者が30名近く集合しました。折からの炎天に参加者は若干辟易としてはいましたが、童夢の心臓部である製造工程や風洞試験などが見学できるとあって、参加者の士気は結構上がっていました。冒頭、童夢の武林専務と総務の方から童夢の概要説明と見学コースの説明があった後、本社設備からご案内頂きました。 本社施設では、まずルマンに参戦したレーシングカー「S101」がさりげなく置いてあるガレージに案内されて、実物を見た途端一同のボルテージは一気に上がりました。このレーシングカー一台が社屋本体より高いという説明をお聞きしたり、アルミ削り出しの芸術品の様なパーツや美しいエンジンルームレイアウトを見たりして、全員がしきりに感心していました。その後、レーシングカー以外のカーボン製品製作工程であるカーボンマジックを見学しました。あいにく、当日は童夢の稼働日ではないので実働している製造工程は見られず、エアコンも効かない厳しいコンディションでしたが、自動車製造工場の様な流れ作業とは違うカロッツェリアのような職場の雰囲気が新鮮で、参加者の満足度は高かったようです。
 その後、童夢ご自慢の風流舎と言う風洞施設を見学しました。風流舎の風洞は1/2スケールまでの車しか計測は出来ませんが、路面も実際の時速通りに動かすことで、より実戦に近い空力特性の計測を可能にしています。幸運にも当日に試験が予定されており、その試験作業を見学する事が出来ました。路面は思ったよりも静かに動き、その上に吊るされた計測モデルがブレーキングや加速に応じた車体姿勢を再現している様子は、結構感動ものでした。社屋内、風洞共に写真撮影を許可頂けず、映像でお見せできないのが残念でしたが、風洞トンネルの下に展示されているレーシングカーで風洞の規模をご想像下さい。

乾杯
■交流会乾杯

 童夢見学会の後、JIDAでは初めての北陸・関西・中部の交流会を須賀谷温泉で開催しました。当日、どうしても飛び入り参加をしたいと希望された熱心な会員がいて、満室だった宿泊先の部屋割りに苦労したり、東京から遠路はるばる参加頂いたATデザインの八木さんと関西ブロック長の岡田さんが大学時代の同級生で数十年ぶりに再会できた事が判明したりして、中々思い出深いエピソード満載の交流会になりました。交流会後も幹事の部屋に三々五々集合して、今後のJIDAエリア活動強化に向けたお互いの思いを深夜までじっくり語り合う事ができました。
 翌日ももの凄い暑さでしたが、長浜散策組とテニス・ゴルフ組みにわかれて元気に出発しました。ゴルフは関西ブロックの大浦さん達が三重方面でプレーを楽しまれた様です。テニスは特別参加の八木さん、関西ブロックの柳原さんと中部ブロックの面々が、地元のテニスコートで好プレー・珍プレーを繰り広げました。当日風があったものの尋常ではない暑さの為昼前でプレーは終了し、何とか熱中症による死人は出さずに解散の運びとなりました。

(文責:安倍 武利)

 

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