◆藤本彰元カースタイリング編集長

１０月１０日　名古屋の椙山女学園大学にて　藤本　彰氏　カースタイリング編集長　退任を記念して氏の講演会を開催した。氏の基調講演に加え、静岡文化芸術大学の河岡徳雄氏、名古屋工業大学の木村　徹氏、三菱自動車工業の仲西　昭徳氏の３氏に応援講演という構成。基調講演は７３年のカースタイリング創刊からオイルショック時の休刊の危機にまつわるエピソード、日本語、英語併記の理由、特集号の紹介、現在第一線で活躍しているデザイナーの海外留学時代の作品を紹介があり、日本のカーデザインの振興におけるカースタイリングの貢献を改めて認識することとなった。河岡氏は自身の提供スケッチ画像が黄ばんでいるのは自宅の白熱電球の照明で写真を撮影したとの裏話や、木村氏はジウジアーロの作品を見て、もう自分にやり残されたことはないとショックを受けたエピソード。仲西氏は、今思えば日本のカーデザインが藤本氏の編集方針にコントロールされていたのではないかとの思いを語っていただいた。イベントのトピックは世界的に有名なルイジ・コラーニ氏が会場に駆けつけてくれ、マイクを必要としない大きな声で藤本　彰氏を「世界一の自動車編集者」と最大限の賛辞を述べた。２００名の聴衆は２時間半に渡る講演を講演者の方々の巧みなトークに笑いを誘われながら、飽きることなくあっという間の時間をすごした。　

（文責　関本　隆次）