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3Dプリンター講座「3Dプリンターまだ間に合う、いまさら聞けない基礎の基礎」レポート

JIDA中部ブロック研究事業
3Dプリンター講座「3Dプリンターまだ間に合う、いまさら聞けない基礎の基礎」レポート

平成26年9月21日
研究事業委員 吉田修作

近年ものつくりの世界に大きな変革をもたらすと言われている3Dプリンターであるが、実際のところ多くの人がその情報を正確に把握しているとは限らない。そこで今回はこれから3Dプリンターに取り組もうとしている人たちに向けて、基本的な部分から3Dプリンターの実態を正確な知識として得られるような講座とした。

日時 :平成26 年8 月30日(土)13:00~16:30
場所 :バッファロー株式会社 9F会議室
参加人員 :22名 (会員12名、一般9名、学生18名、学生1名)

全体を3つのパートに分け第一部を「あいち産業科学技術総合センター」の加藤正樹主任研究員の講演。第二部をJIDA会員 吉田による現状報告、第三部にデモ機を囲んでのフリーディスカッションの構成で行った。

第一部 加藤主任研究員氏講演概略
1980年頃名古屋工業試験場の児玉秀男氏をはじめ、ぼぼ同時期に4人の発案で始まった。その方式には積層、光造形、熱溶解積層、インクジェット方式、粉末型などの方法があり、現在主に一般的になっているのは溶解した樹脂の糸をテーブル上に積み上げる溶解樹脂積層法(FDM)であり、在世界の各国で実用化に向けた研究が盛んにおこなわれている。このように3Dプリンターが注目されるきっかけになったのがクリスアンダーソン著「メーカーズ」であり、それには生産手段を得た一般の人々が様々なビジネスに応用している様子が描かれている。また今後の課題として使用素材の拡大、使用の簡便性、造形精度の向上、3Dデータ作成の簡便性などがあげられる。応用分野としては医療、航空宇宙、エネルギー分野など多方面における展開が期待できる。反面、著作権の問題や反社会的な使用の可能性も出てきており法整備が急がれる状況になってきている。
第二部 吉田氏講演概略 
現状すでにどのような分野に使用例があるのかを「衣、医」「食、職」「住、銃」「遊、優」の4つの分野に分け画像を用いて提示。続いてクリスアンダーソン著「メーカーズ」の概略を説明。最後にこれまでの流れから講演者個人が感じている3Dプリンターの出現でデザイナーの仕事は、立場はどの様に変わっていくのかを述べた。
第三部 ㈱ムトーエンジニアリングのデモ機を囲んで
今回協力を頂いたムトーエンジニアリングのデモ機と講演者を囲んで参加者との意見交換会を催した。デモ機による製作の実際を目の当たりにしながら、参加者それぞれが熱心に意見を交わし、交流していた。

3Dプリンターがモノつくりの表舞台で話題を賑わすようになっていくらかの時間が過ぎ、多くの人が「ああ、あれね」と言ったように、なんとなく認知されてきてはいるが、実は確実な情報ではないような現状であると思われた。そこで一度全体の認識を同じレベルに均すことが必要ではないかとの意見から行われた講座であったが、成り立ちから現状、その問題点、今後の活用分野、そして今どのようなマシンが手に入るのかまで、具体的で確実な情報を提供することができ「なんとなくわかっているつもり」のことが確実な情報として把握してもらうことができたと感じられた。このような情報の知識化は3Dプリンターの虚像に振り回されることなく道具として使いこなしていくためには必要な事と感じた。

主催:JIDA中部ブロック
協力:バッファロー株式会社
  セントラル画材株式会社
  株式会社ムトーエンジニアリング

講座の模様

加藤氏による講演

吉田氏による講演

デモ機を囲んで

 

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更新日:2014.12.08 (月) 12:25 - (JST)]
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